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 第3回  たかが空気。されど空気。
皆さんは“タイヤ”といって何を思いつきますか?一番「ピン!」とくるのは“空気圧”ではないでしょうか?タイヤメンテナンスで一番重要なのは空気圧のチェックです。タイヤトラブルの大半は空気圧が原因で、空気圧のチェックを行う事でさまざまなトラブルを防ぐ事ができます。今回は空気圧によるトラブルとチェック(適正空気圧)についてお話しましょう。
タイヤの空気圧は高すぎても低すぎても良い事はありません。それでは適正な空気圧ってどれくらいなのでしょうか?
適正空気圧はお使いの車種や使用状況によって変わります。ほとんどの車には適正空気圧の表示がされています。運転席の横、ドアやドアのフレーム(車体側)にステッカーが貼られています(一部の外国車両や古い自動車の場合、表示が無いことがあります)。
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同じ車両でも年式やグレードで装着されたタイヤサイズが変わり、指定サイズ以外のタイヤホイルセットを組み付けた場合も適正空気圧は変わるのです。
では、適正空気圧でない場合、どういった不具合の可能性があるのでしょうか?空気圧が適正でないと異常磨耗(偏磨耗)制動距離の増加(ブレーキの効きが悪くなる)などが起こります。これはタイヤの接地面がきちんと道路に接地しないために起こるのです。
その結果、ハンドリング性能が悪くなる(反応が鈍い・軽すぎて手ごたえが無い)損傷を受けやすくなるタイヤのグリップ力が低下するなどの現象がおきやすくなります。これは速く走る為でなく、安全に走行する為に大事な部分を失ってしまう事になるのです。つまり逆に言えば、適正な空気圧に設定していればタイヤの持っている性能を充分引き出す事が出来るということです。
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最近のタイヤは、カッコよく(ホイールを大きく)見せ、走行性能を高める為に扁平度合いが高く(タイヤを横から見た高さが薄く※1)なっている傾向があります(タイヤのサイズ表示の225/50R-17の60や50という数値。詳細は次の機会に紹介します)。
ロープロファイルタイヤといわれる扁平タイヤ(50よりも数字が小さい)の空気圧は、230kPa(2.3kgf/平方センチメートル)〜250kPa(2.5kgf/平方センチメートル)といわれています。扁平以外のタイヤより若干高めの指定です。扁平率が高いタイヤはタイヤの接地面とホイールまでの高さが少ない為、適正空気圧よりも空気が少ないと、段差を越える時などにホイールのリムが曲がる可能性が非常に高くなります。適正空気圧よりも高く調整されている場合は、段差を越える時の衝撃がタイヤで吸収されず、ホイルに大きな力がかかり、ホイルの変形の原因となる場合があります。このホイールの変形を防ぐ為に、純正ホイールはデザインをシンプルにしてホイールの強度を上げたり、アルミホイールでは製造過程で鍛造(金属にものすごく高い圧力を加えて金属密度を上げる)部品を使い重量の軽減と強度を確保するなどの方法を取っています。
では、適正空気圧で無い場合、具体的にどんな症状が出るのでしょうか?
まず、空気圧不足の場合、次のようなことが起こりやすくなります。
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空気圧が低い為に左右均等な磨耗状態になっていないタイヤ。交換が必要。
・スタンディングウェーブ現象
教習所の教習で見るビデオでよく説明されます。空気圧が少ないままで高速道路を走行すると、タイヤが波打つように変形し、トレッド面の剥離が発生し、最後はバースト(破裂)してしまいます。
・ ホイールからタイヤビート部(タイヤのホイールへの組み付け部分)が変形しやすくなって外れやすくなり、空気漏れを起こしやすくなります。
・ タイヤが変形したままタイヤの両肩で走るので、センター部分を残したままタイヤの肩が減ることとなり、タイヤの寿命を著しく縮めてしまいます。
空気圧不足の場合の症状は、乗り心地は柔らかくなりますが、ハンドリングが重くなり反応が鈍くなります。
逆に空気圧過多の場合は、タイヤが異常な緊張状態になるので、緩衝能力(クッションの役目)が低下し、衝撃キズや切りキズを受けやすくなります。また、
・異常摩擦(タイヤ中央部が摩擦しやすくなる。ボールに空気をいっぱいに入れると丸く
なる状態)が起きる。
・設置面積の減少によって、ブレーキの効きが落ちる(制動距離が伸びる)
などが起こりやすくなります。
空気圧過多の場合路面の継ぎ目で跳ねる感じがする、ハンドル操作が軽くなるなどの症状が出ます。
最近のタイヤは、乗り心地を得る為にタイヤサイドが柔らかくなっています。昔のようにタイヤの見た目では、適正空気圧を判断することが難しくなってきていますが、簡単に自分で調整することが可能です。
用意するものはエアゲージ(空気圧を計る:カー用品店で入手可能\1,000程度〜)とフットポンプ、石鹸水です。調整はできるだけタイヤが冷えた状態で行ってください。
まず、適正空気圧をチェックします。運転手側のドアを開け、ステッカーで確認します。次にエアキャップを外し、エアゲージをバルブに押し付けます。このときによくエアキャップが行方不明になりますので、気をつけてください。適正空気圧よりも少ない場合は、フットポンプで補充します。この時、少し空気圧を高めにし適正空気圧まで圧を下げるのがコツです。(4本が同程度の空気圧減少の場合は調整で様子を見ますが,特定のタイヤだけ、空気圧が減少している場合はパンクの可能性があります。SSなどに点検の依頼をしてください。)
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空気漏れはエアバルブ周りからも起こりやすいので、バルブのチェックをしておきましょう。石鹸水をエアバルブの空気充填口とバルブのホイール取付部分に薄く塗ります。シャボン玉のように泡が出なければOKです。もし泡が出た場合はSSやショップに相談してください。
これでエアキャップを閉めればエア調整は完了です。
貨物車(4ナンバーやトラック)は、荷物を多く積む場合などは適正空気圧表示にある“積載時”にあわす必要があります(普通乗用車には積載時表示はありません)。高速道路を長時間走行する場合などは、調整をお勧めします。
 
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写真はエアバルブの分解写真です。左側のバルブコアが通常の状態、右側のコアがエア充填中の形です。コアの中にはスプリングが入っており、タイヤ内の空気圧を逃がさない構造になっています。コア胴体のゴムパッキンが傷ついたり、劣化することで充填口からのエア漏れが発生します。
このように何気なく乗っている自動車の空気圧は、非常に重要です。昔は、よく「燃費をよくしたいから空気をパンパンに張ってくれ」といわれるお客様がいらっしゃいましたが、大きな間違いです。
現在、乗用車はほぼ100%チューブレスタイヤ(一部の旧車を除いて)となり、パンクなどが発生してもすぐにエアが抜けきらないので、パンクなどに気がつかない方が多くいらっしゃいます。事故にあわないためにも、空気圧のチェックはしたいものです。
適正空気圧を維持する為には、ひと月に1回程度の空気圧チェックをお勧めします。
また、乗り心地やハンドリングがいつもと違うと感じたら、空気圧チェックをしてください。
ご自分で調整が無理な場合は、SSやタイヤショップへ依頼してください。
タイヤメーカーのコマーシャルで“タイヤは命を載せています”と言っていましたが、命を載せるタイヤも適正な空気圧で使用しないと、本来の力を発揮できません。
自分で出来るメンテナンス。始めてみませんか?
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